はじめまして、管理人のTOMOYUKIです。今回はCanon FD 100mm F2.8(S.S.C.)のレビューをお届けします。
40mmや50mmの標準から少し変化をつけたいというときにピッタリな一本です。ならズームレンズでいいじゃないかと聞こえてきそうですが、単焦点じゃないと見れない世界観がとても大切だと思っています。
そして、「ちょうどいい距離感」をくれる100mmという焦点距離に、扱いやすいF2.8を組み合わせた Canon FD 100mm F2.8 は、被写体を自然に引き立てながら背景をすっと整理してくれる一本です。寄りすぎず、離れすぎない中望遠ならではの描写は、ポートレートはもちろん、街のスナップや花・小物の撮影でも“主役だけが残る”写真に導いてくれます。オールドレンズらしい操作感を楽しみつつ、日常の一枚を少しだけ上質にしたい人にこそすすめたい定番レンズです。

① Canon FD 100mm F2.8のおすすめポイント
「近づきすぎない。だから、品よく盛れる。」
ポートレートでもスナップでも、“被写体との距離”をコントロールできるのが100mmという焦点距離。Canon FD 100mm F2.8(S.S.C.)は、その距離感をやさしく整えてくれるオールドレンズです。1973年発売という背景を持ちながら、いまのミラーレスでもアダプター経由で使われ続け、写真に「空気」と「奥行き」を足す一本として再評価されています。発売年月や基本仕様はCanon Camera Museumに明記されています。
② Canon FD 100mm F2.8で写真が楽しくなる
このレンズを手に入れると、写真の「上手さ」が一段上がったように感じやすいです。理由はシンプルで、100mmは
- 背景が整理される(余計な情報がフレームから消えやすい)
- 顔や小物が自然に引き立つ(中望遠の圧縮効果でまとまりが出る)
- 撮るテンポが整う(MFで“狙って撮る”時間が心地いい)
たとえば、家族写真なら“寄りすぎない優しさ”が出ます。カフェのテーブルフォトなら、周囲の雑多さを切り落として主役だけをすっと立てられます。「いつもの場所・いつもの被写体が、作品っぽくなる」。それがFD 100mm F2.8のいちばんのご褒美です。
③ ヒストリー|Canon FD 100mm F2.8
FDマウントは1970年代のCanon一眼レフを支えた規格で、のちにEOS/EFへ移行するまで長く使われました。その流れの中で、FD 100mm F2.8 S.S.C.は1973年3月発売。当時の価格は31,000円。スペック表からも分かる通り、構成は5群5枚と比較的シンプルで、当時の“実用・高画質・携行性”の落としどころが見える設計です。そして名称の**S.S.C.(Super Spectra Coating)**は、コーティング技術を示す表記。逆光に強い・ヌケが良いといった評価につながりやすく、オールドレンズ入門でも安心材料になりがちです(もちろん個体差はあります)。

④ Canon FD 100mm F2.8の豆知識
- 「FD 100mm F2.8」は世代がある
同じ100mm F2.8でも、時代で外装や仕様が異なる個体があります。たとえば後年の**New FD 100mm F2.8(1979年発売)**は、重量やフィルター径、絞り羽根枚数などが変わっています。
“オールドらしい金属感”を求めるなら旧FD寄り、軽快さならNew FD寄り…という選び方もできます。 - レンズフードは地味に効く
逆光耐性が良いと言われやすい一方で、フードを使うと安定しやすいという話もあります(特にデジタルでコントラストを取りたい場合)。MFlenses Forumでもフード推奨の言及があります。
必要十分、かつ無駄がない。
このシンプルさこそが、長く使える理由です。
まずは公式スペックを“ひと目”で把握しましょう。
主な仕様(Canon FD 100mm F2.8 S.S.C.)
| 項目 | 内容 |
| 発売年月 | 1973年3月 |
| 発売時価格 | 31,000円 |
| レンズ構成 | 5群5枚 |
| 絞り羽根枚数 | 8枚 |
| 開放F値 / 最小絞り | F2.8 / F22 |
| 最短撮影距離 | 1m |
| 最大撮影倍率 | 0.13倍 |
| フィルター径 | 55mm |
| サイズ(最大径×長さ) | 67×57mm |
| 質量 | 360g |
⑥ Canon FD 100mm F2.8の特徴|100mm F2.8ならではの“独特の味”
このレンズの美味しいところは、単に「100mmでF2.8」ではありません。
- コンパクトな100mm:長さ57mmという取り回しは、望遠寄りの単焦点として軽快。
- 8枚羽根の素直なボケ:極端にクセで押すより、被写体を立てて背景を“整える”方向が得意。
- 5群5枚のシンプルさ:抜けの良さや、過剰に作り込まれすぎない階調の気配に魅力を感じる人が多いタイプ。
最新レンズのように“全部が完璧”ではなく、ちょっと柔らかい入口 → 絞るとキリッという変化も楽しみのひとつになりやすいです。記録よりも、記憶に残る写真。そんな表現を求める人に、強く刺さるレンズです。

⑦ Canon FD 100mm F2.8の人気|定番だからこその安心感
FDレンズは中古市場で流通が多く、ミラーレスへのアダプト運用も広がっています。そうした背景から「今でも十分楽しめるビンテージ」として語られやすい状況があります。
- 特に100mmは用途が分かりやすく、ポートレート/物撮り/スナップと守備範囲が広いので、“次の一本”として選ばれやすい焦点距離です。
⑧ Canon FD 100mm F2.8の使い方・楽しみ方
1)まずは「距離」を味方にする
100mmは近すぎると会話が途切れがち、遠すぎると意思疎通が難しい。その中間で、相手のパーソナルスペースを守りながら撮れるのが魅力です。
- 人物:2〜4mを目安に(背景が自然に整理されます)
- 小物:1m前後で“余白ごと撮る”意識(最大撮影倍率0.13倍)
2)MFは「拡大+ピーキング」で勝てる
ミラーレスなら、拡大表示とピーキングでピント精度が出しやすいです。ポイントは
- 開放で合わせて → 必要なら少し絞る
- 被写体の目やロゴなど“芯”に合わせる
- 連写より、1枚ずつ呼吸を合わせる
3)逆光・強い光源はフードで安定
S.S.C.でも状況によってはフレアが出ます。屋外で太陽が入る構図や夜景の点光源では、フードで安定しやすい、というコミュニティ情報もあります。
⑨ 特記事項・注意
オールドレンズは個体差がすべて。購入前・到着後にここだけは確認しましょう。
- 光学:カビ/クモリ/バルサム切れ/強い拭き傷
- 絞り:羽根の粘り(油染み)・動作のキレ
- ヘリコイド:ピントリングの重さ、ムラ、引っかかり
- 外装:フィルター枠の歪み(55mmフィルターが入るか)
- 付属品:前後キャップ、フード(必要なら)
- アダプター運用:FDは機構上、アダプターで絞り連動が異なる場合があります。購入するアダプターの方式(開放測光不可/絞り操作方法など)を事前に確認。
そして、同じ「100mm F2.8」でも旧FDとNew FDで仕様が違うため、出品写真と表記は必ず照合を。New FDの仕様は公式にも別ページで整理されています。

まとめ|Canon FD 100mm F2.8は写真の品を底上げする一本
Canon FD 100mm F2.8(S.S.C.)は、「派手な一本」ではなく、写真の品を底上げする一本です。
- 人物が自然に引き立つ
- 背景が整理される
- MFの時間が楽しくなる
- 1970年代の光学を、いまのデジタルで味わえる
5群5枚・8枚羽根・360gというバランスの良さで、いまでもミラーレス運用で楽しめる“ちょうどいいオールドレンズ”です。
被写体との距離を整え、背景を片付け、写真に落ち着きと立体感を足してくれる。次の一本に迷っているなら、まずはこの100mmで“撮る楽しさ”を感じてみてください。スペックだけでは語れない“距離感の美しさ”が、このレンズの価値。あなたのいつもの被写体を、もう一段だけ丁寧に見せてくれます。
参考URL(CANON公式)
https://global.canon/ja/c-museum/product/fd149.html
